2015/11/23 (Mon) ６月解禁決定 面接前倒し、大学受け入れ Category 未選択

経団連は２０日、２０１７年春入社の大学生らを対象とした採用について、面接など選考活動の解禁を、現行の８月１日から６月１日に前倒しすることを正式に決めた。大学などでつくる「就職問題懇談会」（就問懇）が２０日、「最終的に決定するのは企業側」として事実上受け入れる考えを表明したため。記者会見した経団連の榊原定征会長は「就職活動の長期化による悪影響は明らか」と変更理由を説明した。
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　会社説明会などの広報活動は、現行通り３月に解禁する。１２月７日の正副会長会議で、これらの解禁時期を盛り込んだ採用指針を変更する。選考時期の変更は２年連続。１８年春入社以降の採用については今後検討する。

　経団連は１１月９日に「２カ月前倒し」方針を発表していた。しかし、就問懇が「２年連続の変更は混乱を招く」として、現状維持を経団連に求めていた。このため経団連は文部科学省や大学の理解を得るため調整を続けていた。

　就問懇が指針への対応を協議するために２０日に開いた会議では、内閣府が大学生らに実施した調査で「繰り下げは就職活動の長期化を招いた」との意見が多数を占めたことが報告された。これらを踏まえ、会議でまとめた文書では、最終決定権は「企業側にある」と明記。その上で、６月に繰り上げた場合、４年生の前期の授業や試験、教育実習と、選考活動の時期が重複するため、土日や平日の夕方の活用など学習時間に影響しないよう配慮を求めたほか、経団連の加盟企業だけではなく全企業に開始時期の順守の徹底を要望した。経団連はこれらの意見に配慮した条項を指針に盛り込む方針だ。
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　２０日午前に記者会見した就問懇の吉岡知哉座長（立教大総長）は「政府も尽力してほしい」と訴えた。

　榊原会長は馳浩文科相とも面会して、前倒しへの理解を得た。馳文科相は２０日の閣議後の会見で、「合意点を見いだし、速やかに方向性を示した方がいい」と述べた。

　採用時期は、１６年春入社の大学生から会社説明会などの広報活動の解禁が、従来の前年１２月から３月に、面接など選考活動が４月から８月へそれぞれ繰り下げられた。しかし、一部の企業が８月より前から面接するなど「抜け駆け」がみられたうえ、就活の長期化などが課題に挙がっていた。